家計を予算で回す②|使うお金は「前の年に入った分」だけにした
①では、自分の家に「家計運用に係る原則」という6条の文書を置いた話を書きました。
この6条のうち、家計が一番変わったのは第5条です。収入を決めた条文です。
結論から言いますと、僕の家では今年度に使えるお金は、去年のうちに入った分だけと決めてあります。今月入った給料を今月使うのをやめた、ということです。
「入ったら使う」をやめた理由
入ってきた月に使う形だと、収入が増えた月は支出も増えます。ボーナスの月に大きな買い物をして、翌月に生活費が足りなくなる。僕が長くやっていたのはこれでした。
自治体の予算は、こうなっていません。年度が始まる前に、入ってくる額を見積もって歳入として確定させ、その枠の中で歳出を組みます。順番が逆です。先に財源を固めて、そのあとで使い道を決める。
これを家に持ち込むなら、年度が始まる前に財源が確定していないといけません。だから、前の年に入った分を財源にすることにしました。原則第5条で、こう決めています。
- 一般会計(毎月出ていく生活費)は、その前の月に入った収入を充てる。たとえば5月の支出には、4月に支給された給与を充てる
- 特別会計と基金(年に1回の支出や、将来のための積立)は、前の年の1月1日から12月31日までに入った収入を充てる
この形にすると、4月1日の時点で1年分の財源が全部そろっています。あとから「思ったより入らなかった」が起きません。
2026年度(令和8年度)の歳入
今年度の歳入は、6本立てて7,659,064円になりました。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 本人の給与 | 6,247,137円 | 前年の給与 |
| 妻の給与 | 908,121円 | 交通費込み |
| 太陽光発電より | 443,806円 | 11月発電分から10月発電分まで |
| 積立の解約 | 60,000円 | |
| 合計 | 7,659,064円 |
太陽光発電の売電収入に「11月発電分から10月発電分まで」という変わった期間がついているのには理由があります。12月に発電した分の入金が翌年2月10日ごろになるので、12月発電分は暦年で区切ると間に合いません。入金が年内に終わる範囲で切ると、11月から10月までになります。
こういう1か月のずれは、年に1回しか出てこないので毎年忘れます。だから原則の中に書き留めてあります。
歳入に立てるのは、総支給ではなく手取り
上の表の「本人の給与 6,247,137円」は年収ではありません。税と社会保険、共済の掛金を引かれたあと、口座に入ってくる額です。
引かれる額がどれくらいかは、別の年度の家計予実績表に残してあります。令和4年(2022年)の1年分の給与明細から引かれた額を、そのまま書き出したものです。
| 天引きの項目 | 1年分 |
|---|---|
| 厚生年金 | 573,704円 |
| 短期掛金(医療分) | 299,420円 |
| 所得税 | 230,400円 |
| 住民税 | 191,600円 |
| 自治労共済 | 78,000円 |
| 職員組合費 | 70,620円 |
| 一斉積立 | 60,000円 |
| 共済組合遺族附加年金 | 54,963円 |
| 共済介護 | 54,548円 |
| 退職等年金掛金 | 47,024円 |
| 共済福祉 | 11,780円 |
| 互助会費 | 11,148円 |
| 合計 | 1,683,207円 |
この年の総支給は6,424,871円でした。そこから1,683,207円が引かれて、家計に入ってきたのは4,741,664円です。引かれた割合は26.2%になります。
公務員の給与の話をするときに年収で語ると、この26%がどこにも出てきません。家計の財源にできるのは残りの74%のほうなので、予算を組むときは手取りで立てます。
なお、この天引きの中には「一斉積立 60,000円」と「共済組合遺族附加年金 54,963円」のように、引かれているけれども自分の資産や保障になっているものが混じっています。こういう項目を支出として二重に数えないよう、歳入は天引き後の額で一本化しています。
切り替えた年に、359万円足りなくなった
この仕組みには、導入のときに大きな穴があります。今年の収入を来年の財源に回すと、切り替えた年は財源が無いのです。
これまでは今年入った分を今年使っていたので、それを来年に回すなら、今年使う分をどこかから持ってこないといけません。僕は一気に切り替えられず、4年かけて移しました。足りない分は、自分の基金から借り入れる形で記録に残しています。
| 予算を組んだ年度 | 基金からの借入額 | 何が足りなかったか |
|---|---|---|
| 令和2年度 | 1,912,828円 | 積立期間を暦年に定めたことで、1月と2月の給与が翌年度の積立に回った分。住宅ローンの12か月分も必要になった |
| 令和3年度 | 240,000円 | 一般会計の1年分(前々年に積み立てておくべきだった分) |
| 令和4年度 | 1,126,386円 | 妻の給与1年分を全額積立に回したほか、勉強代・職場の会費・旅行積立・親への費用を前年収入で賄っていた分 |
| 令和5年度 | 319,287円 | 妻の1月から3月分の収入を積み立てていなかった分 |
| 合計 | 3,598,501円 |
合計359万円です。これを手元の資金から出せたので移れましたが、出せなければこの仕組みは入れられません。
これから入れる人に向けて言えるのは、一度に全部やらなくていいということです。僕のように4年かけてもいいし、年に1回しか出ていかない支出だけを先に前年積立に移して、毎月の生活費は今のままにしておく形でも回ります。
もう1つ決めたこと──出納整理期間は置かない
自治体の会計には出納整理期間(4月1日から5月31日まで、前年度の収入と支出の整理を続ける期間)があります。僕の家では、これを置かないことにしました(原則第4条)。
代わりに決めたのは、次の2つです。
- 当年度に支出額が決まって、支払が翌年度になるものは、当年度の支出にする
- 支出の原因が当年度でも、額が決まるのが翌年度になるものは、翌年度の支出にする
これが実際に問題になるのはクレジットカードです。僕の使っているカードは3月25日ごろに明細が確定して、引き落としは4月10日前後になります。額が決まったのは3月なので、この分は前の年度の支出として扱います。
決めておかないと、3月分のカード代が毎年どちらの年度にも入らないまま消えます。1年目はこれで決算が合いませんでした。
この記事で使った資料
- 筆者の家の「家計運用に係る原則」第4条・第5条
- 筆者の家の「令和8年度(2026年度)家計予実績表」労金貯蓄預金内訳決算シート
- 筆者の家の「令和6年度(2024年度)家計予実績表」給与収入欄
- 筆者の家の「令和8年度(2026年度)家計執行方針」前年度からの留意事項
財源が7,659,064円で固まりました。次の③では、この枠を1年分の支出に割っていきます。僕の家では19項目に割っています。
