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2026年8月の経済指標まとめ|7つの数字で見る日本経済の現在地

タロ

経済指標は数が多すぎて、どれを見ればいいのか分からなくなります。僕は7つに絞って毎月見ていくことにしました。この7つの組み合わせは、リベラルアーツ大学の両学長が挙げているものを参考にしています。

今回が第1回、2026年8月分です。

ただ、経済指標は発表の時期がそろっていません。同じ「8月に出た数字」でも、中身は4-6月期のものだったり、6月のものだったり、7月のものだったりします。この記事では「2026年8月に発表されたもの」を対象にして、それぞれがいつの数字なのかを毎回はっきり書きます。

数字はすべて、内閣府・総務省統計局・厚生労働省が公表した資料から直接取りました。出典は記事の最後にまとめています。

7つがそれぞれ何を測る指標で、いつ発表されるのかは、経済指標の見方|FP1級の僕が毎月見ている7つにまとめました。はじめての方はそちらから読んでいただくと、この記事の数字が読みやすくなります。

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2026年8月に発表された7つの指標

指標いつの数字か発表日結果
①月例経済報告2026年8月時点の判断8月27日「緩やかに回復」を据え置き。「自然災害」を追記
②GDP2026年4-6月期(1次速報)8月17日実質 前期比+0.3%(年率+1.1%)
③景気動向指数2026年6月分8月7日(速報)
8月25日(改訂)
CI一致指数118.5。基調判断「改善」を据え置き
④景気ウォッチャー調査2026年7月調査8月10日現状判断DI 45.7(前月差+1.7)
⑤消費者物価指数2026年7月分(全国)8月21日総合+1.9%/コア+1.8%
⑥実質賃金指数2026年6月分(確報)8月24日前年同月比+2.2%。6か月連続のプラス
⑦完全失業率2026年7月分8月28日2.4%(前月差▲0.1ポイント)
7指標すべてがこの月に発表4月5月6月7月8月月例経済報告8月27日発表8月時点GDP(1次速報)8月17日発表2026年4-6月期景気動向指数8月25日改訂6月分景気ウォッチャー調査8月10日発表7月調査消費者物価指数8月21日発表7月分(全国)実質賃金指数8月24日確報6月分完全失業率8月28日発表7月分■ 対象期間 ● 発表日

各指標の公表資料をもとに作成。●は2026年8月中の発表日。

7つとも8月に発表されたものですが、見ている時間はここまで違います。GDPが見ているのは4月から6月。完全失業率が見ているのは7月。月例経済報告にいたっては8月時点の判断です。いちばん古い数字といちばん新しい判断のあいだには、4か月の開きがあります。

7つのうち1か月分を見ているのが5つ、3か月分(四半期)を見ているのがGDP、そして月例経済報告だけが数字ではなく「8月時点で政府がどう判断したか」です。

①月例経済報告(2026年8月27日発表)

内閣府が毎月出している、政府の景気認識です。統計そのものではなく、統計を見た政府がどう判断したかが書かれています。7つの中で、いちばん新しい時点の見方が読めます。

8月27日に発表された基調判断は、こうでした。

景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある。

7月は「景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある。」でした。「自然災害」の4文字が増えています。7月28日16時27分に起きた令和8年熊本地震(マグニチュード7.1、最大震度7)を受けたものです。

個別の項目では、4つの表現が変わりました。

項目7月の表現8月の表現
住宅建設弱含んでいる総じて横ばいとなっている
輸出このところ持ち直しの動きがみられる持ち直しの動きがみられる
企業収益改善の動きがみられる改善している
国内企業物価上昇しているこのところ上昇テンポが鈍化している

上の3つは上方修正です。国内企業物価は、上がってはいるがペースが落ちた、という書き方に変わりました。

一方で、個人消費(持ち直しの動きがみられる)、設備投資(持ち直している)、生産(横ばいとなっている)、雇用情勢(改善の動きがみられる)、消費者物価(緩やかに上昇している)は7月から変わっていません。

②GDP(2026年8月17日発表/2026年4-6月期・1次速報)

国内で生み出された付加価値の合計です。3か月分をまとめて、四半期に1回発表されます。8月17日に出たのは2026年4-6月期の1次速報でした。

実質GDPは前期比+0.3%(年率+1.1%)。3四半期連続のプラス成長です。名目は+1.2%(年率+4.8%)でした。

プラスを作ったのがどこかを見ると、内訳はこうなっています。

項目実質の前期比寄与度前回からの変化
国内需要(内需)▲0.2%pt3四半期ぶりのマイナス寄与
財貨・サービスの純輸出(外需)+0.5%pt3四半期連続のプラス寄与

純輸出は「輸出−輸入」です。輸入が減れば、その分だけ純輸出は増えます。4-6月期は輸出が実質+0.5%、輸入が実質▲1.5%でした。伸びた輸出よりも、減った輸入のほうが大きく動いています。

内閣府は輸入の減少について「原油等が減少に寄与した」と説明しています。同じ資料には、公的在庫変動のGDP寄与度が実質▲0.5%ptで「国家の備蓄原油の放出によるとみられる」とあります。原油をめぐる動きが、輸入と公的在庫の両方に出ています。

内需の中身も見ておきます。

項目実質の前期比前回からの変化
民間最終消費支出▲0.0%8四半期ぶりの減少
民間企業設備▲1.2%2四半期連続の減少
民間住宅▲0.5%3四半期ぶりの減少
政府最終消費支出+1.6%5四半期連続の増加

個人消費が8四半期ぶりに減りました。前にマイナスになったのは2024年4-6月期です。

なお、GDPデフレーターの前年同期比は+2.6%でした。

③景気動向指数(2026年8月7日・8月25日発表/2026年6月分)

生産・出荷・雇用・販売など複数の統計を、1本の指数にまとめたものです。内閣府が作っています。景気の方向を機械的な基準で判定するのが目的で、判断に人の裁量が入りにくい仕組みになっています。

先行指数(数か月先を示す)、一致指数(いまを示す)、遅行指数(あとから動く)の3本があります。ふだん「景気動向指数」として報じられるのは一致指数です。

8月には6月分が2回発表されました。8月7日の速報と、8月25日の改訂です。

区分CI一致指数前月差
8月7日 速報118.2+0.3
8月25日 改訂118.5+0.6

基調判断は「改善を示している」で据え置かれました。この判断は担当者の感覚ではなく、「原則として3か月以上連続して3か月後方移動平均が上昇し、当月の前月差がプラス」なら改善、という基準で決まります。内閣府の速報資料では、6月時点で3か月後方移動平均が6か月連続の上昇と説明されています。

6月に一致指数を押し上げたのは、商業販売額(卸売業)と投資財出荷指数(除く輸送機械)です。

④景気ウォッチャー調査(2026年8月10日発表/2026年7月調査)

タクシー運転手、コンビニの店長、人材派遣会社の担当者など、景気の動きを身近に感じられる仕事の人たちに直接たずねる調査です。統計ではなく、現場の実感を数値にしたものです。

DIは50が分かれ目です。50を上回れば「良くなっている」と答えた人が多く、下回れば「悪くなっている」と答えた人が多い、という読み方をします。

区分DI(季節調整値)前月差
景気の現状判断45.7+1.7(3か月連続の上昇)
景気の先行き判断45.8+0.1

3か月連続で上がっていますが、まだ50を下回っています。上向いてはいるものの、水面下にいる状態です。

内閣府は、調査結果に示された見方をこうまとめています。

景気は、中東情勢によるマインド面の下押しを中心に影響が残るものの、持ち直しの兆しがみられる。先行きについては、中東情勢による不透明感が残ることに加え、令和8年熊本地震の影響に対する懸念もみられる。

7つの指標のうち、熊本地震への懸念がいちばん早く出てきたのがこの調査です。現場の人に聞く調査なので、集計を積み上げる統計より先に反応が出ます。

⑤消費者物価指数(2026年8月21日発表/2026年7月分・全国)

家計が買うモノやサービスの値段を、まとめて指数にしたものです。総務省統計局が毎月出しています。ニュースでは3つの数字が使い分けられます。

  • 総合:全部入り
  • コア(生鮮食品を除く総合):天候で値段が乱れる生鮮食品を外したもの
  • コアコア(生鮮食品及びエネルギーを除く総合):さらに電気代やガソリンも外したもの
区分指数(2025年=100)前年同月比
総合102.0+1.9%
コア(生鮮食品を除く)102.1+1.8%
コアコア(生鮮食品・エネルギーを除く)102.1+1.9%

コアの前年同月比の動きを並べると、下がりきったあとに向きが変わっています。

消費者物価指数コア(生鮮食品を除く総合)の前年同月比総務省統計局「消費者物価指数(全国)」2025年基準。単位は%1.01.52.02.53.03.52025/72025/92025/112026/12026/32026/52026/71.8コアCPI

総務省統計局「消費者物価指数(全国)」2025年基準をもとに作成。

2025年10月・11月の3.0%から下がり続け、2026年4月・5月に1.4%まで落ちました。そこから6月1.6%、7月1.8%と、2か月続けて上がっています。

この指数は2025年基準に改定されています。2020年基準だった頃の数字とそのままつなげられない部分があるので、過去との比較は基準をそろえて見る必要があります。

全国に先行して、東京都区部だけの数字が先に出ます。2026年8月分(中旬速報値、8月28日発表)は、総合+1.9%、コア+1.8%、コアコア+2.0%でした。同じ東京都区部の7月(総合+1.8%、コア+1.7%、コアコア+1.8%)と並べると、3つとも8月のほうが上です。全国と東京都区部は別の集計なので直接は比べられませんが、8月に入っても物価の伸びは止まっていません。

⑥実質賃金指数(2026年8月24日発表/2026年6月分・確報)

名目の給料を消費者物価指数で割ったものです。給料が増えても物価がそれ以上に上がっていれば、買えるものは減ります。手取りの「量」を1本で見る数字が実質賃金です。

8月には6月分が2回出ました。8月5日の速報と、8月24日の確報です。

区分現金給与総額(名目)実質賃金指数の前年同月比
8月5日 速報531,677円(+3.4%)+1.6%
8月24日 確報534,823円(+4.0%)+2.2%

速報と確報で0.6ポイント動きました。理由は集計に入った事業所の数です。速報は21,749事業所(回収率65.8%)、確報は24,895事業所(回収率75.3%)で集計されています。あとから届いた回答が反映されて、数字が変わりました。

実質賃金は2026年1月からプラスが続いていて、6月で6か月連続です。

名目賃金と実質賃金の推移(前年同月比・事業所規模5人以上)厚生労働省「毎月勤労統計調査」。2026年6月分は確報値、それ以前も確報値。単位は%-2.0-1.0+0.0+1.0+2.0+3.0+4.02025/62025/82025/102025/122026/12026/32026/52026/6+4.0+2.2名目賃金実質賃金

厚生労働省「毎月勤労統計調査」(事業所規模5人以上、就業形態計)をもとに作成。実質化には消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)を使用。

6月は賞与の月です。特別に支払われた給与が235,152円(+4.7%)で、名目の伸びを押し上げました。実質化に使った物価の前年同月比は+1.9%です。

⑦完全失業率(2026年8月28日発表/2026年7月分)

働きたくて仕事を探しているのに、仕事に就いていない人の割合です。総務省統計局の労働力調査から出ます。

2026年7月分は、季節調整値で2.4%。前月から0.1ポイント下がりました。男性2.6%、女性2.1%です。

中身を見ると、少し変わった動きがあります。

項目2026年7月前年同月と比べて
就業者数6850万人同数
 うち雇用者6233万人+36万人(53か月連続の増加)
 うち自営業主・家族従業者592万人▲27万人(▲4.4%)
完全失業者数169万人同数

働いている人の総数は1年前と同数なのに、内訳は動いています。雇用者が36万人増える一方で、自営業主・家族従業者は27万人減りました。

なお、内訳を足しても総数には一致しません。労働力調査の利用上の注意に「総数に分類不能又は不詳の数を含むため、総数と内訳の合計とは必ずしも一致しない」と書かれています。表章単位未満の四捨五入も入ります。

雇用形態で見ると、正規の職員・従業員が3736万人(+16万人、33か月連続の増加)、非正規が2143万人(+15万人、4か月連続の増加)です。就業率は62.6%で、前年同月から0.2ポイント上がりました。

7つを並べて見えた3つのこと

1.賃金は物価に6か月連続で勝っている

実質賃金は6月確報で+2.2%。2026年1月から6か月連続のプラスです。名目賃金の伸び(6月確報+4.0%)が、物価の伸び(同月+1.9%)を上回っています。

雇用のほうも、完全失業率が2.4%へ0.1ポイント低下、雇用者数は53か月連続の増加、月例経済報告の雇用情勢も「改善の動きがみられる」。7つの中で、賃金と雇用はいちばんはっきり同じ方向を向いています。

2.それでも消費は減っている

一方で、4-6月期の民間最終消費支出は実質▲0.0%。8四半期ぶりの減少でした。GDPの内需寄与度も3四半期ぶりのマイナスです。

景気動向指数の遅行系列に入っている家計消費支出(勤労者世帯、名目)の前年同月比も、2026年6月は▲4.0%でした。

賃金は増えているのに、消費は増えていない。8月に出た数字の中で、この2つはかみ合っていません。増えた分がどこへ向かったのかは、この7つの指標だけでは分かりません。9月以降に出る数字を見ていきます。

3.熊本地震は、まだ数字に入っていない

令和8年熊本地震は2026年7月28日16時27分に発生しました。マグニチュード7.1、最大震度7です。

7つのうち地震に触れているのは、月例経済報告(基調判断に「自然災害」を追記)と景気ウォッチャー調査(先行きに懸念)の2つだけです。どちらも判断や実感を扱うもので、統計そのものではありません。

統計のほうは、GDPが4-6月期なので発生前、景気動向指数と実質賃金は6月分なのでこれも発生前。7月分の消費者物価指数と完全失業率にしても、月の大半は地震の前です。影響が数字として出てくるのは、9月以降に発表される分からになります。

速報と確報は、違う数字です

今回の7指標のうち、同じ月のものが2回発表されたケースが2つありました。

指標(2026年6月分)先に出た数字あとから出た数字
実質賃金指数(前年同月比)+1.6%(8月5日・速報)+2.2%(8月24日・確報)
景気動向指数 CI一致指数118.2(8月7日・速報)118.5(8月25日・改訂)

どちらも、あとから出たほうが強い数字になりました。速報の時点では集計が終わっていない部分があるためです。

ニュースで流れるのは、たいてい速報のほうです。そのあと静かに書き換わっていることがあります。毎月まとめていくうえで、どちらの数字なのかは必ず書き分けます。

9月に見るところ

日程がすでに公表されているものは2つです。

  • 2026年9月7日 景気動向指数 2026年7月分・速報
  • 2026年9月8日 GDP 2026年4-6月期・2次速報

このほか、景気ウォッチャー調査(8月調査)、毎月勤労統計(7月分速報)、消費者物価指数(8月分・全国)、労働力調査(8月分)、月例経済報告(9月)が9月中に発表されます。

次回に確かめるのは、この3つです。

  • 熊本地震が、7月・8月の統計にどう出るか
  • 実質賃金のプラスが7か月目に入るか
  • 個人消費のマイナスが一時的なものだったか(GDP2次速報で4-6月期の数字がどう動くか)

この記事で使った資料

数字はすべて、以下の一次資料から取りました。

各数値は、2026年9月4日時点で上記資料を確認したものです。

この7つを見たあとに、僕がやっていること

経済指標を見ても、明日どの株が上がるかは分かりません。僕がやっているのは、毎月この7つで全体の位置を確かめておいて、あとは会社を一社ずつ自分のものさしで採点することです。

翌月分はこちらです。

7つの指標そのものの解説はこちらです。

採点に使っている12項目のものさしは、こちらにまとめました。

実際に採点した会社の記録です。

採点に使う考え方は、この2本で説明しています。

いま自分がどれだけ持っているかは、こちらで公開しています。

僕が使っている証券会社について

「どこで買っているんですか?」とたまに聞かれます。僕はSBI証券を10年以上使っています。理由は長くなるので、別の記事にまとめました。

免責事項

本記事は情報提供および筆者個人の記録を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨・勧誘するものではありません。記載した数値は、内閣府・総務省統計局・厚生労働省・気象庁が公表した資料にもとづき、筆者が2026年9月4日時点で確認したものです。速報値は後日改訂されることがあります。投資の最終的な判断は、ご自身の責任と調査に基づいて行ってください。
※本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含む場合があります。

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タロ@安定と挑戦の二刀流
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地方公務員×中小企業診断士×FP1級
地方在住の現役地方公務員。中小企業診断士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。英検準1級。資格取得や投資、副業の経験を通じて得たノウハウを発信しています。学び直しや収入源の多様化に興味がある方に、実体験に基づくヒントをお届けします。 株式投資については、NISAのつみたて投資枠・iDeCoを活用した長期投資とNISA成長投資枠を活用した高配当株投資を中心に、12年ほど続けています。不動産は、個人で小規模なアパート(1棟6室)を所有しているほか、配偶者が代表を務める法人でもアパート1棟(8室)を保有しています。
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