家計を予算で回す⑧|管理する人を2人にする
⑦までは、予算をどう組んでどう直すかという話でした。
ここでは、誰が管理するかという話をします。
結論から言いますと、僕の家の家計は僕ひとりでは回っていません。一般会計と特別会計の一部は、妻が管理しています。
全部ひとりで持つのは、無理があった
予算を1人で管理しようとすると、日々の買い物まで全部自分が判断することになります。食費の枠が今月どれだけ残っているかを、買い物をする人が知らないまま買い物をするので、月末に合いません。
自治体でも、予算を作るところと執行するところは別です。予算の枠は財政の担当が組みますが、実際に使うのは各課です。各課は枠の中で自分の判断で使います。
僕の家もこの形にしました。枠は僕が組んで、日々の執行は妻に渡す。渡す代わりに、枠の中では僕は口を出しません。
妻に渡している枠(2026年度)
| 会計 | 2026年度の予算 | 中身 |
|---|---|---|
| 一般会計(妻管理分) | 1,127,000円 | 食費、まとめ買い、雑費、2人のお小遣い |
| 特別会計(妻管理分) | 580,360円 | お年玉、クリスマス、NHK受信料、自治会費など |
| 計 | 1,707,360円 | 歳出7,583,292円の22.5% |
この1,707,360円の内訳は、僕の手元の予実績表には合計額でしか入っていません。食費を今月いくら使ったかは、僕は知りません。
渡す枠の財源を、計算で出す
渡すときに必要なのは、その枠の財源をどこから持ってくるかです。僕の家では、妻の収入と、僕からの繰り入れの2本で組みます。
2025年度(令和7年度)の計算は、こうなっていました。
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 妻の手取り(1年分) | 921,484円 |
| 僕からの一般会計への繰入れ | 300,000円(月25,000円×12) |
| 財源の計 | 1,221,484円 |
| 一般会計の予算 | 1,367,000円 |
| 不足 | 145,516円 |
145,516円足りません。予算を組んだ時点で、年度末に不足が出ると分かっていたということです。
妻の手取り921,484円は、原則第5条のとおり前の年のうちに積んであるので、年度の初めに全額そろっています。足りないのは枠が大きすぎたからです。
足りない分を、どう直したか
⑥で、今年度からお小遣いを月30,000円から20,000円に下げたと書きました。2人分で年240,000円の減額です。
この減額を入れると、同じ計算がこう変わります。
| 区分 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|
| 妻の手取り | 921,484円 | 908,121円 |
| 僕からの繰入れ | 300,000円 | 300,000円 |
| 財源の計 | 1,221,484円 | 1,208,121円 |
| 一般会計の予算 | 1,367,000円 | 1,127,000円 |
| 差 | 145,516円の不足 | 81,121円の余り |
お小遣いを下げたのは、節約したかったからではありません。渡す枠が財源を超えていたからです。
この順番が大事だと思っています。先に「節約しよう」と言うと、話が気持ちの問題になります。先に財源と枠を並べると、いくら足りないかという数字の話になります。240,000円下げるという結論は同じでも、その結論に至る会話がまったく違います。
渡した枠は、守られている
2025年度(令和7年度)の決算で、妻に渡した2つの枠はこうなりました。
| 会計 | 予算 | 実績 | 差 |
|---|---|---|---|
| 一般会計(妻管理分) | 1,367,000円 | 1,320,339円 | 46,661円の残 |
| 特別会計(妻管理分) | 580,360円 | 555,354円 | 25,006円の残 |
2つとも予算を下回っています。合わせて71,667円の残です。
⑨で書きますが、この年度の家計全体は予算を162,135円超えました。超えた原因は、妻に渡した枠ではなく、僕が持っていた枠のほうでした。
見えない部分を、どうするか
枠を渡すと、中身が見えなくなります。これは渡すことの代償です。
2024年度(令和6年度)から、家計管理アプリを試験的に入れました。目的は執行方針にこう書いてあります。「妻が管理している食費等および特別会計の全容を把握するため」
見えるようにしたい理由は、口を出すためではありません。来年の枠を正しい大きさにするためです。合計額しか分からないと、食費が足りないのか雑費が足りないのかが判定できません。判定できなければ、来年も同じ大きさの枠を渡すことになります。
一方で、妻の管理分の予算は、前の年度の実績から類推して組んでいます。見えていない部分があっても、合計の実績は残るからです。実績が残っていれば、枠の大きさは直せます。
子どもの枠も、別に立てている
子ども2人には、それぞれの会計を立てています。学費の枠はそこから出ますが、もう1つやったことがあります。
2023年(令和5年)までだった子ども向けの非課税制度(ジュニアNISA)を使って、2人分で合計320万円を2年間で積み立てました。1人あたり約160万円です。この額は、それぞれの会計から学資保険の受取額に相当する分を差し引いて決めました。
運用規則には、何を買うかとその理由まで書いてあります。先進国株式のインデックスファンドと、8資産に均等に分散するバランスファンドの2本です。理由として書き残しているのは次のとおりです。
- 先進国株式のインデックスは、ここ数年の利益率が米国の代表的な指数より良く、値動きの幅も小さい
- 為替の影響は、外貨建てで持つよりは投資信託のほうが扱いやすい。外貨建てで1,000万円を持つと、為替が1円動くだけで10万円動く
- 8資産均等のバランスファンドは、値動きの幅を下げて全体の効率を改善することを期待している
この判断が良かったかどうかは、まだ分かりません。ただ、何をなぜ買ったかを書いておけば、あとで子どもに説明できます。渡すときに「なんとなく積んでおいた」と言わずに済みます。
この記事で使った資料
- 筆者の家の「家計の原則の運用規則」投資の運用について
- 筆者の家の「令和8年度(2026年度)家計予実績表」一般特別会計シート
- 筆者の家の「令和7年度(2025年度)家計予実績表」
- 筆者の家の「令和8年度(2026年度)家計執行方針」令和6年度・令和4年度の予算編成について
次の⑨では、決算をします。1年分の予算を23項目に割って回した結果、どこがどれだけずれたのかを全部並べます。
